2017年09月

若返りホルモンDHEAの秘密!(その4)

■睡眠や食事もDHEAに影響!

睡眠不足もDHEAの分泌に影響します。

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睡眠が不足するとストレスが溜まり続ける原因になり、コルチゾールの分泌が増えてしまいます。

するとDHEAだけでなく、睡眠に関するホルモン・メラトニンやセロトニンの分泌が減少してしまい、いっそう睡眠不足が深刻になります。

質の高い睡眠をとることは、ホルモンバランスを整える意味でも重要です。

また、栄養バランスもDHEAにかかわってきます。

DHEAをはじめとするホルモンの原料となるのが、アミノ酸やコレステロールです。

コレステロールと聞くと、すべて悪者のように考える人もいると思いますが、コレステロールは細胞膜の材料となったり、ホルモンの原料になったりするなど私たちの体に必要なものです。

アミノ酸やコレステロールが不足すると、DHEAの分泌にも悪影響を与えかねません。

LDL(悪玉)コレステロールが増えすぎないように気をつけなければいけませんが、コレステロールを含む食品をまったく取らないような食生活は、マイナス面が大きいのです。

バランスのとれた食生活は、体にとって必要不可欠です。

急激に血糖値を増加させるような食事もよくありません。

精製された小麦粉や米など、糖質を多く含む食品を中心にした食事は、血糖値を急激に上げてしまいます。

すると、血糖値を下げる唯一のホルモン・インスリンの分泌が盛んになり、副腎疲労に対してもよくありません。

その様にないようにするためには・・・

①食事の最初は野菜を食べる。
②よく噛んで早食いをしない。
③大食いを避ける。

・・・などを実践して、食後の血糖値が急激に上がらないように注意しましょう。

本コラムのバックナンバーvol.164「時間栄養学の基本」でも紹介しましたが、朝食を抜いて昼食を取ると、昼食後の血糖値の上昇幅が大きく、しかも上昇した状態が長く続くとされています※3。

朝食を抜くことで肥満に結びつくという報告もありますので、1日の最初の食事となる朝食をあなどってはいけません。

糖質を多く含む食品に限らず、食事の摂取量=エネルギー摂取量を考える必要もあります。

また、カフェインやアルコールの取り過ぎも、DHEAの分泌を抑えてしまう危険性があると指摘する専門家がいますので、注意しましょう。

次回は「運動でDHEAの分泌を増やす!」についてご紹介します。お楽しみに!

若返りホルモンDHEAの秘密!(その3)

■ストレスはDHEAの大敵!

DHEAはストレスに対抗する「抗ストレスホルモン」でもあります。

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ストレスに対抗するホルモンとして、ほかにコルチゾールがあります。

DHEAもコルチゾールも副腎で分泌されるホルモンで、この二つが連携して働くと、有効に機能します。

人間はストレスを受けると、コルチゾールを分泌します。

コルチゾールは血糖値を上げることで、ストレスから体を守ろうとします。

体が危険を感じたときにエネルギーが必要となるため、血糖値を上げるようになっているのです。

しかし、その時に活性酸素が発生してしまいます。

活性酸素はDNAを酸化させたりして、体を老化させます。

そのため、コルチゾールは老化ホルモンと呼ばれることもあります。

この酸化を防ぐのがDHEAです。

コルチゾールが多く分泌され過ぎると、免疫力が低下したり、筋肉の合成を抑制するばかりか分解を促進したり、骨の形成を抑制してしまいます。

これに対してDHEAは、免疫力を向上させ、筋肉の維持に貢献します。

また、骨密度に対してもDHEAが関係しているという報告もあります(これに関しては、DHEAの直接効果というより、エストロゲンの増加によるものだという見解もあります)。

いずれにせよ、ストレスに関する二つのホルモンの働きによって、私達の体が正常に保たれるようになっているわけです。

この二つのホルモンのバランスが乱れる原因の一つが副腎の疲労です。

コルチゾールなどの分泌に追われ続けるなど副腎が疲労し過ぎると、DHEAが分泌されにくくなってしまい、バランスが崩れてしまいます。

そしてコルチゾールが分泌され過ぎると、骨粗鬆症のリスクが高くなったり、手足の筋力が低下する難病「クッシング症候群」の心配もしなくてはなりません。

そのため、副腎の疲労を防ぐことも重要です。

副腎は酸化に弱いと言われています。

副腎の疲労を防ぐためには、ビタミンCやビタミンE、亜鉛やセレンなどの抗酸化物質を積極的に取ることが勧められています。

そのなかでもビタミンCは重要です。

体内でビタミンCの濃度が高く、消費する量が多い臓器が副腎だからです。

副腎疲労を治療するために、DHEAのサプリメントやコルチゾールを補充する方法もありますが、ビタミンCを投与する治療が行われることもあります。

それほど副腎はビタミンCを必要としているのです。

日本では医薬品に指定されているDHEAのサプリメント(現在、国内では製造されていません)ですが、摂り過ぎると倦怠感やニキビ、不整脈などの副作用が起こることもあります。

ほかにも肝機能障害などのほか、前立腺癌や乳癌の場合に癌を進行させるリスクがあるとも言われていますので、摂り過ぎには注意しましょう。

DHEAは増やせば増やすほどいい、というわけではないのです。

DHEAは体内で分泌されるものなので、20歳前後までは副腎の機能に問題があるなどよほどのことがない限り、心配はないでしょう。

そして、不足が気になり始める40歳過ぎには、DHEAの分泌を妨げる原因を排除したり、自然に分泌されるように生活習慣を改めることを優先して考えるほうがいいのではないでしょうか。

では、そのためにはほかに、どんな点を注意すべきでしょうか。

次回は「睡眠や食事もDHEAに影響!」についてご紹介します。お楽しみに!

若返りホルモンDHEAの秘密!(その2)

■そもそも「DHEA」って何?

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)とDHEA-S(DHEAの塩酸塩。
デヒドロエピアンドロステロンサルフェート)は、主に副腎から分泌されるホルモンで、血中ではほとんどがDHEA-Sとして存在します。

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血中のDHEA-S値は男女ともに6~7歳ごろから増加し始め、20歳前後にピークに達した後、加齢とともに直線的に低下し、70歳時ではピーク時の20%に、85~90歳では5%まで低下してしまいます。

===≫(参考)
DHEAに関しては、まだ全てのことが解明されているわけではありませんが、上記のように、DHEAが様々な疾患の予防に貢献していると考えられています。
≪===

そのため、加齢とともにDHEAが低下してしまうと、体に悪影響があるのではないかと懸念されます。

そして、DHEAが減少する原因は加齢だけではありません。

生活習慣もDHEAの減少に大きく関係しているのです。

次回は「ストレスはDHEAの大敵!」についてご紹介します。お楽しみに!

若返りホルモンDHEAの秘密!(その1)

「DHEA」・・・?

あまりなじみのない名称かもしれませんが、DHEAは体の中で炎症を抑えたり、インスリンの働きを助けて糖尿病になるのを防いだりといった、様々な働きを持つホルモンです。

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筋力を保ったり、動脈硬化や脂質異常症を改善するなどの働きもあり、若返りホルモンとも呼ばれます。

そんなホルモンなのですが多ければ多いほどいいというものではありません。

■DHEAの働き!

DHEAは男性ホルモン・テストステロンや女性ホルモン・エストロゲンをつくる材料になりますが、それ以外に様々な働きを持つことが報告されています。

①免疫力を高め、炎症を抑えたり腫瘍を予防する

②インスリンの働きを助け、糖尿病を予防する

③筋力を維持し、代謝を高めて体脂肪を減らす

④動脈硬化を予防する

⑤脂質異常症を予防する

⑥ストレスを緩和し、意欲を向上させる

⑦アルツハイマー病を予防、改善する

⑧不妊症を改善する

⑨性的欲求を高める

DHEAの働きによって、生活習慣病などのリスクを減らすことができるというのです。

そのため、テレビなどのメディアでは「若返りホルモン」と呼ばれることがありますが、若返りというより、「若さを保つ」「老化を促進しないようにする」ホルモンといったほうが適切かもしれません。

また、DHEAを服用することで皮膚の色素沈着の改善が見られたり、DHEAクリームを塗るとコラーゲン合成が盛んになったりするなど、肌の若さを保つ効果も見られるといいます。

さらに、日本で27年間追跡調査した研究では、男性でDHEAが多い人ほど長寿だということが報告されています。

その様なことから、DHEAは長寿ホルモンとも呼ばれているのです。

次回は「そもそもDHEAって何?」についてご紹介します。お楽しみに!

「パーキンソン病」ってどんな病気?(最終回)


■リハビリなどで日常のケアを!

パーキンソン病を放置していると、体の動きが次第に悪化してしまいます。

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症状を少しでも改善するためには、日常生活では意識的に体を動かすこと、また運動機能を回復させるリハビリを定期的に行うことが必要です。

リハビリの基本はストレッチ(柔軟運動)で、手足の筋肉や関節などを伸ばしたり、固さをほぐしたりする運動です。

簡単なストレッチでは、椅子に腰掛けた状態から、ゆっくり立ち上がりながら両手を高く上げて伸ばす運動や、立った姿勢で体をゆっくり前に倒す運動、上向きに寝て自転車をこぐように両足を回す運動などがあります。

運動の種類は、患者さんの症状の程度や動きにくい部位(場所)によって異なります。

また、すでに治療のための薬を使用している場合、強い運動をすると薬の効果が早く切れてしまうので、やりすぎないことも大切です。

運動を始める場合は、まず医師に相談してください。

様々な症状の改善には、補助療法といってハリ(鍼)やヨガ、ハーブなどによる療法もあります。

患者さんによって効果に違いはありますが、パーキンソン病の症状には日常生活に支障をきたすつらいものも多いので、いくつかの補助療法を試してみるのもいい方法です。

ヨガや体操は、気分転換にもなります。

但し、しっかりした指導者のいる施設で、自分の病状をきちんと説明し、対応してもらうことが必要です。

また、睡眠不足やストレスがたまると、症状が悪化しやすい傾向がみられます。

よく眠れないなどの症状がある場合は、医師に相談し、睡眠改善薬を処方してもらうなどの方法をとりましょう。

治療や日常のケアについてくわしく知りたい場合は、パーキンソン病の患者さんたちの会があるので、そこで相談することもできます。

患者会に参加し、体験談などを聞くのも参考になるでしょう。
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