2018年05月

歯周病と認知症との以外な関連!(その6)

■歯周病で歯を失うことと認知症の関連性!

歯周病は、重症化しないかぎり強い症状はありません。

自覚症状が少なく、自分でみつけるのが難しい病気です。

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歯周病の原因は細菌感染ですが、その原因菌はクチの中だけでなく全身に拡散して悪さをしています。

たとえばADのヒトの脳から高頻度で検出されたり、大腸癌の病巣から発見されたりしています。

そして厚労省の調査では、50歳代後半から60歳代前半にかけて歯周病を持つ人の割合は8割を超えていますし、若い世代でも歯周病になっている人は少なくありません。

日本人の多くに歯周病による「小さな炎症」が相当長期間続いている可能性があり、それが認知症を悪化させている畏れがあることになります。

また、歯周病や虫歯が進行した結果として「歯を失う」という状況が生まれます。

ひと言でいえば「噛めない」ということですが、実はこれも認知症の進行と深い関係があるのです。

次回は「歯数と認知症の深い関係!」についてご紹介します。お楽しみに!

歯周病と認知症との以外な関連!(その5)

■予防する時期は?

「では定年が近づくころから注意すればいいのか」と働き盛り世代のあなたは考えるかもしれません。

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ところがここに重大な落とし穴があります。

ADの発症する年齢で一番多いのは確かに70歳代ですが、ADの原因物質であるAβの蓄積は、発症の10~15年以上前から始まっているのです。

ADの発症やその前段階である軽度認知症(MCI)の症状が出てからでは、対策は後手に回らざるをえないのです。

認知症の発症から遠ざかるためには遅くとも50歳代で歯周病のコントロールが必要で、できれば重症化する人が多くなる40歳代以前からのアプローチが望ましいのです。

次回は「歯周病で歯を失うことと認知症の関連性!」についてご紹介します。お楽しみに!

歯周病と認知症との以外な関連!(その4)

■歯周病が認知症を悪化させる!

歯ぐきの炎症や失った歯の放置は禁物です。

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ここに、「歯周病が認知症の原因の多くを占めるアルツハイマー型認知症(以下AD)を悪化させる」という動物実験の結果があります。

人工的にADにかからせたマウスを2グループに分けて、一方だけを歯周病菌に感染させました。

4カ月後にマウスの脳を調べると、いずれのグループでも記憶力に関係する脳の「海馬」という部分にADの原因となるタンパク質(アミロイドベータ、Aβ)が増えていたのですが、歯周病のマウスのほうが面積で約2.5倍、量で約1.5倍多くなっていたのです。

これまで歯周病とADの関係は科学的に研究されておらず「歯周病治療で、認知症の進行を遅らせられる可能性が出てきた」そうです。

別の実験では、マウスに歯周病の原因菌としていちばん有力なジンジバリス菌(P.g菌)がもつ毒素(LPS)を注入するとAβがたまりやすくなるとの結果もあります。

ヒトでの調査でも見逃せない結果が出ています。

ADで亡くなった人の脳を調べると、P.g菌がもつ毒素(LPS)が高頻度で検出されます。

それに対しADでないヒトの脳からはまったく検出されませんでした。

またADが発病すると、発病前よりもP.g菌とその仲間の血液検査での陽性反応が強くなるという報告もあります。

次回は「予防する時期は?」についてご紹介します。お楽しみに!

歯周病と認知症との以外な関連!(その3)

■歯周病とは何?

歯周病・・・

耳にしたことがあっても、正しく知っている人は少ないかもしれません。

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歯周病とは、歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織が、口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患のことです。

成人だけではなく小・中学生などの若年層も多く罹患しているとされています。

適切に歯磨きができていないと、健康な歯ぐき(歯肉)に炎症が起こり、それを改善しないまま深部の歯周組織まで炎症が波及すると、歯と歯肉の境目の溝が深くなり、歯周ポケットが形成されます。

これが重症化してしまうと歯がぐらつき始め、残念ながらたくさんの歯を失ってしまうことになりかねません。

しかも歯をしっかり磨いていても、気づかずに歯周病になっている人がかなり多いのです。

日本と米国では、歯周病に対するとらえ方が違うということを痛感しています。

特に米国では、循環器系の疾患が日本以上に多いのが現状ですが、循環器疾患と歯周病が深くかかわっているというのは常識となっています。

そのため、医師たちは歯周病を非常に重視しています。

残念ながらこの認識は日本ではまだまだ十分ではありません。

次回は「歯周病が認知症を悪化させる!」についてご紹介します。お楽しみに!

認知症と歯周病との意外な関連!(その2)

■慢性の長く続く小さな炎症とは?

歯周病の症状である「炎症」は、簡単にいえば外から入ってきたり、身体の内部で生まれたりした害のあるものへの防御反応です。

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身体は自分自身、つまり細胞を破壊してでも悪いものを取り除こうとします。

そうして生命の危機から逃れようとするわけです。

いわば「肉を切らせて骨を断つ」という戦術です。

ただ、その「炎症」のプロセスの中で細胞の分子に様々な作用をする「生理活性物質」というものが生まれます。

それはタンパクの一種であったり、活性酸素であったりしますが、それらは炎症のある場所だけでなく全身的に病的な老化や認知症の原因になることがわかってきました。

老化のひとつの症状としての認知症も、その正体は「脳の炎症」だと言われています。

そして、老化・認知症と関係が深いのは急性の激しい炎症ではなく、むしろ「慢性の長く続く小さな炎症」だということも明らかになってきているのです。

では「慢性の長く続く小さな炎症」とはどんなものなのでしょう? 

いくつか例をあげると、たとえば糖尿病からの高血糖は血管の壁に炎症をおこしますし、腸などに問題があると慢性的に炎症を生じていることもあります。

その「小さな炎症」のなかで影響が最も大きいものが、意外なことに「歯周病」なのです。

次回は「歯周病とは何?」についてご紹介します。お楽しみに!
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