温泉地に滞在してゆっくり体を癒やす。
日本の湯治は、江戸時代から盛んになりました。
温泉につかると、なぜか体の調子がよくなって病気も快復する。
このような温泉の効果は、経験として知られていましたが、それを裏付ける科学的な研究が出てくるなど、近年、海外で温泉が注目されています。
古くから受け継がれてきた日本の温泉は、ストレスの多い現代人に効果があります。
期待の温泉効果を知っておきましょう。
■注目されている「総合的生体調整作用」
日本の温泉は、伝統医学として研究されてきた歴史があります。
医学的な主な作用は、温泉の温熱による血管拡張や血液循環の改善などの「物理的な作用」、温泉に溶け出ているイオンや化合物などによる「化学的な作用」、そして「総合的生体調整作用」の3つです。
その中で今、注目されているのは、「総合的生体調整作用」です。
これは転地療法とも呼ばれ、温泉の温度や刺激、温泉地の自然環境によって人間の体が整っていくという作用です。
近年、内分泌や生命科学の分野から同じような結果が出てきて、海外の研究者も注目しているのです。
温泉に入るとなんとなく気分がほぐれ、疲れがとれます。
「総合的生体調整作用」とは、ちょっと曖昧なこんな効果のことです。
温泉地や温泉による軽微な刺激が体内のホルモンや自律神経に働きかけ、乱れた生体機能を本来のリズムに整える作用といわれています。
次回は「どうして温泉は体のリズムが整うのか。」についてご紹介します。