■ロービジョンケアの利用!
病気やケガで視力が低下したり、視野が狭くなると、日常生活に支障をきたすようになります。
特に文字を読むときや外出時に、不便さや困難を感じることが多くなります。
日常生活の質を少しでも高めるためには、残された視力や視野を最大限に活用する工夫やサポートが必要です。
そのための医療や福祉を、ロービジョンケアといいます。
===≫(参考)
ロービジョンとは低視力を意味します。目の病気では、糖尿病性網膜症、緑内障、網膜色素変性症などが、ロービジョンになる典型的なものです。
高齢化にともない、いずれの病気も増加傾向にあるので、ロービジョンケアの役割は非常に大きなものがあります。
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具体的には、ロービジョンケア・グッズの使用、グッズに慣れるための練習、日常生活での注意などがあります。
ロービジョンケア・グッズには、文字を見るための拡大・縮小レンズ類(拡大鏡、弱視眼鏡、プリズムなど)や拡大読書機、タイポスコープ(黒地にスリットの入った、文字を読みやすくする器具)、主に外出時に使用する遮光眼鏡や白杖などがあります。
遮光眼鏡はふつうのサングラスとは違い、目のなかで散乱しやすい青色の光だけを遮断し、まぶしさを軽減する眼鏡です。
網膜色素変性症になると光をまぶしく感じることが多く、外出時には遮光眼鏡が必要になることがあります。
こうしたグッズを使用した文字を読む練習や、外出時に人とぶつからないための歩行訓練なども、ロービジョンケアの一つです。
また網膜色素変性症は、強い日差しの下に長時間いると症状を悪化させやすいとされています。
そのため外出時には、サンバイザーや大きなツバのある帽子の着用も必要です。
こうした予防や改善のための情報の提供や指導も行われます。
ロービジョンケア施設は全国にあるので、下記の機関のホームページにアクセスするか、眼科医に相談してください。
なお各地の福祉センターでもロービジョンケアを行う施設がありますが、障害者手帳を必要とすることもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
網膜色素変性症にはまだ有効な治療法がなく、しかも進行性のため、視力の低下にともなって患者さんには戸惑いや焦り、いらだちなどが生じやすくなります。
しかし、ストレスを受けると症状が悪化しやすい一面もあるので、ロービジョンケアに積極的かつ忍耐強く取り組み、日常生活を少しでも快適にすごそうとする姿勢が大切です。
ホームページを通じて、同じ病気の患者さんの話を知ったり、情報を得たりすることも役に立ちます。