■慢性化させないための予防法!
胃もたれやみぞおち痛などの症状を慢性化させないためのポイントは、食事、運動、睡眠の3つに気を付けることです。
●食事
次のことを守って、胃にやさしい食事を心がけましょう。
①よく噛んで、ゆっくり食べる
唾液には消化作用があるので、よく噛んで、ゆっくり食べると、胃の負担が軽くなります。
②辛い物や脂っこいものをさける
香辛料は胃の知覚過敏を引き起こしやすく、脂質は消化・吸収に時間がかかり、胃への負担が大きくなります。
③腹八分目にする
食べ過ぎは、胃の消化リズムを乱す原因となります。
●運動
運動不足が続くと、胃の機能が低下し、胃もたれなどを起こしやすく、食欲も減退します。
また、運動はストレスを解消し、症状の悪化を防ぐ効果もあるので、適度の運動習慣をもつことが大切です。
有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング、自転車こぎなど)、筋肉運動(屈伸、腹筋、腕立て伏せなど)のどちらにも、ストレス解消効果があるので、自分が続けやすい運動を定期的(週に3回~4回)におこなうようにしましょう。
●睡眠
睡眠不足が続くと、自律神経の乱れから消化機能が低下し、食欲の減退や胃もたれなどが起こりやすくなります。
昼間、太陽光を浴びると、睡眠物質のメラトニンが夜間に分泌され、眠りに入る助けとなります。
散歩程度でもいいので、室内に閉じこもらず、外出するようにしましょう。
こうした日常の注意のほかに、病院を受診する時に知っておくべきことがあります。
それは、自分の症状を具体的に医師に伝えることです。
機能性ディスペプシアの場合、人によって様々な症状がみられるので、治療には消化促進薬のほかに消化管運動の改善薬、胃酸分泌の抑制薬、抗うつ薬・抗不安薬、漢方薬などが使われます。
適切な薬が処方されないと、「薬が効かない」といって治療を中断し、症状を悪化させることになりかねません。
受診時には、いつ頃からどんな症状がみられるのか、どんな時に痛くなるのかなどの基本情報のほかに、「自分にとって一番つらい症状は何か」をきちんと医師に伝え、理解してもらうことが大切です。