歯を食いしばる癖がある人! 悪影響にご用心!(最終回)

■ 歯を食いしばる癖! どうしたら治せるの? 

前回は、噛み合わせの癖が体に与える悪影響について説明しましたが、今回は、その治療法についてご紹介します。

TCHの基本的な治療方法は「認知行動療法」です。

自分自身が歯を接触しているということを、意識して構えず、無理のない範囲で歯を接触させないようにすることです。

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まずは、リラックスしましょう!

まずは・・・

・歯を離す
・脱力する
・口を開ける

などと書いたメモ紙を目につくところに貼ってみることから始めてみましょう。

普段歯と歯が触れ合っている癖があるとわかったからといって、「癖を治そう!」「気をつけなくちゃ!」と構えなくてもいいのです。

無理に意識しすぎると、かえって力が入りすぎて疲れてしまいます。

パソコン作業が多い方はパソコンの画面横、ご家庭の中ではキッチンや冷蔵庫、勉強の合間に目につくように机の前、等々日常生活で目にしやすい場所に貼るといいでしょう。

気づいたら、ため息をつくように息を吐き、顔や肩の力を抜きましょう。

メモを見て力を抜く、これを繰り返すことで歯が触れ合っていると気づき、TCHから解放され、治療しても変わらなかった、様々なお口の悩みや慢性的な頭痛や肩こりが解消されるかもしれません。

《《《 おわり!

歯を食いしばる癖がある人! 悪影響にご用心!(その1)

■噛み合わせの癖が体に悪影響!

皆さんが普段口を閉じている時、上下の歯はどうなっていますか? 

触れ合っていますか? 

それとも離れていますか? 

もし、唇を閉じたときに上下の歯を噛み合わせたほうが気分の落ち着く人は、普段無意識のうちに上下の歯を触れ合わせて、食いしばっているかもしれません。

これは専門用語で、TCH(Tooth Contacting Habit:上下歯列接触癖)と呼ばれます。

実は、TCHのような噛み合わせの癖が、体に悪影響を与えるんです。 

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本来、私達の歯は、何もしていない時は、上下触れ合っていません。

唇を閉じていても、上下の歯は軽く離れているものです。

食事や会話をする時は、上下の歯と歯が瞬間的に触れ合っています。

では、一日の内、歯が接触している時間は、いったいどれくらいだと思いますか?

平均すると、何と17.5分!それくらい短いのです。

ところが、何かの作業をしている時や考え事をしている時、テレビを見ている時などに、上下の歯を触れ合わせたままにしている人がいます。

たとえ強く噛んでいなくとも、上下を軽く接触させただけで口を閉じる筋肉は働いてしまうのです。

歯や歯を支える骨、筋肉などがずっと働きっぱなしの状態になり、弱くても長時間接触しているだけで、本来かかる力以上の負担をかけ、お口の健康に様々な影響が出てくるのです。

悪影響としては・・・

①歯がすり減る、かける

弱くても常に力がかかっていると歯の表面に細かいヒビが入り、小さな欠片となって歯の表面がはがれ落ちます。

歯の根元部分は、特に負担がかかりやすく、気づくとえぐれるように歯がすり減って、虫歯や知覚過敏の原因になります。

②歯周病の治療効果が上がらない!

歯周病は、プラークや歯石の中にひそむ歯周病菌によって歯茎が腫れたり、骨が溶けていったりする病気です。

歯周病の治療には、徹底的にプラークや歯石を取り除いて、進行を抑えることが必要ですが、歯が触れ合う癖で、骨に余計な力がかかっていると、歯周病菌を取り除いても骨はどんどん減っていき、歯がグラグラ揺れてきます。

③治療した部分が壊れる

丁寧に治療をしても、持続的な偏った力がかかると、詰め物や被せものが壊れたり、取れてしまい、何度も治療を繰り返すことになってしまいます。

④肩こりや頭痛の原因となる

口を閉じる筋肉が働くと、顎関節は押さえつけられます。

これが長時間になると関節への血の巡りが悪くなり、ちょうど正座していて足がしびれたときと同じように、感覚が敏感になって痛みを感じやすくなってしまいます。

顎関節周囲の筋肉への血流も悪くなるため、頭痛や肩こりの原因となるのです。

その他にも、顎が痛む「顎関節症」や歯が染みる「知覚過敏」などの遠因ともなります。

TCHは生活環境の変化や体調の変化、気候の変化などあらゆることがきっかけになる可能性があります。

では、普段から上下の歯を触れ合わせる癖がある人はどのように対処したらいいでしょうか?

《《《 次回は「歯を食いしばる癖! どうしたら治せるの?」についてご紹介します。お楽しみに!

【トゥースケア】第12回 虫歯を防ぐ「フッ素」の働き!

「フッ素」には歯垢(プラーク)の細菌の活動を抑えることや、溶けたエナメル質の修復、歯質を強化するなど、虫歯の発生を防ぐ効果があり、予防に有効な成分として注目されています。

■フッ素の虫歯予防効果

☆フッ素はどのように働くのか

フッ素は、むし歯予防に関する様々な働きをしてくれます。
フッ素配合ハミガキ剤を長期間継続的に使用することで、予防率はアップします。

①酸の産生を抑制

歯磨きで落としきれなかった歯垢(プラーク)が作る虫歯の原因菌の働きを弱め、歯垢(プラーク)が作る酸の量を抑えます。

②再石灰化の促進

歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促進させます。

③歯質強化

歯の表面を酸にとけにくい性質に修復します。
特に乳歯や生えたての歯は軟らかいので、フッ素配合のハミガキ剤を使い、歯質強化に努めましょう。

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☆口の中に長く留まるほど効果的

歯磨きの後に、口の中に残ったフッ素が虫歯予防に効果的に働くため、フッ素を長く留めるハミガキ剤がおすすめです。

■フッ素で毎日のケアが肝心!

☆脱灰を抑え再石灰化を促進するために、毎日のケアが重要

口内が常に中性であれば、歯の脱灰は起こりませんが、脱灰と再石灰化は1日の中でもめまぐるしく起こっています。

初期虫歯ができてしまっても、フッ素の活用やその他のケアにより再石灰化しやすい状態をつくり出せれば、修復は可能です。

初期虫歯が修復されるまでには、半年~1年程度かかると言われています。

その意味では、歯科の定期健診が半年に1回以上と推奨されるのは理にかなっているのです。

また、初期虫歯は自分では見つけにくく、歯科専門家による定期的なチェックが必要です。

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「初期虫歯ができてしまった!」と慌てて一時的にケアに気をつかうだけでは、フッ素の効果は十分に発揮されません。

日々、口内の環境は変化し、脱灰に傾くリスクは常にあります。

だからこそ、毎日のケアでフッ素をしっかり取り入れ、継続的に虫歯予防に努めることが大切なのです。


■フッ素配合ハミガキ剤の注意点

フッ素配合ハミガキ剤を使う時は、次のことに注意が必要です。

①効果的に使うための量

効果的に使うための量年齢によってフッ素配合ハミガキ剤の使用量の目安は異なります。

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②歯磨き後のすすぎ

歯磨き後のすすぎ10~15mlの水を口に含み、1回程度すすぐことがおすすめです。
口の中により多くのフッ素が残り、むし歯の予防に効果的に働きます。

③ハミガキ剤は飲み込まない。

多くの実験によってフッ素の安全性は確認されていますが、ハミガキ剤は食品ではないので飲み込まないようにしましょう。
子どもの場合は、ひとりですすぎができるようになってから使用しましょう。

■フッ素は身近にある成分

フッ素は、ほとんどの食品に含まれるミネラル成分の一つです。

魚介類や野菜、肉、牛乳、塩、お茶の葉っぱなど、ほとんどの食品に含まれており、ビタミン類の様に、毎日摂らなければならない必須の栄養素に位置付けられています。

ただ、フッ素は単体ではなくナトリウムと結びついた「フッ化ナトリウム」、カルシウムと結びついた「フッ化カルシウム」など必ずほかの物質と結びついて存在しています。

毎日の食事で意識して、フッ素が含まれる食品を摂るようにしましょう。

フッ素の効用いかがでしたか?
フッ素による日常のケアを心掛けて、健康で綺麗な歯を保ちましょう!


【トゥースケア】第11回 よく噛むと若返る?

昔から食事をする時に、「よく噛んで食べなさい!」と言われてきましたが、よく噛むことの効果をご存知でしょうか?

・食べ物を細かくすることで消化を助ける

・噛むことで満腹中枢が刺激されて食べ過ぎの防止になる... etc。

この辺は皆さんよくご存知だと思います。

最近では、よく噛むことでアンチエイジング(抗加齢)効果があると言われています。

一つは、噛むことで脳の血流が良くなり、集中力が高まったり、認知症の予防(脳の老化防止)になります。

もう一つは、若返りのホルモンともいわれているパロチンが唾液に含まれていて、よく噛むことで唾液腺を刺激し、唾液(パロチン)の分泌を促すことができるからです。

パロチンとは成長ホルモンの一種で、その効果には骨や歯の再石灰化を助けたり、皮膚の新陳代謝を活発にする働きがあり、シミやしわを防ぐことにつながります。

またパロチンは白内障の治療薬として使われることもあります。

唾液が出る主な腺には、「耳下腺」「顎下腺」「舌下腺」がありますが、パロチンは耳下腺から出る唾液のみに含まれています。

耳下腺は、上の奥歯に接する頬粘膜にあるので、奥歯でしっかり噛むということが重要です。

また、食事をする際に、うつむき加減(猫背の状態)で食べていると、下顎が前に出やすく前歯が先にあたるので、奥歯でしっかり噛むことができません。

したがって、食事をする時は姿勢を正して、目安は一口あたり30回程度よく噛みましょう。

片方だけで噛んでいると顔の歪みの原因につながるので、奥歯左右均等に使用することを心掛けながら食事をすることが大切です。

【トゥースケア】第10回:奥歯の役割と寿命

■奥歯の役割

奥歯は、毎日の生活に欠かせない重要な役割を持っています。

①ものを噛む

奥歯はものを噛むのに特に重要な歯。
奥歯を1本失うと物を噛む力は30~40%も低下してしまい、食べ物の消化・吸収も悪くなってしまいます。

②発音

歯を失うと、そこから息が漏れてしまうので発音が不明瞭になります。

奥歯を失うと「ラ行」の発音が悪くなるといわれています。

③歯並びや顔の輪郭形成

失った奥歯をそのままにしておくと、噛み合わせが狂い、やがて歯並びや顔の輪郭形成にも影響が出てきます。

④瞬発力

重たいものを持つ時やスポーツする時、奥歯でしっかりと食いしばることで、瞬発力が生まれます。
しかし、食いしばれないと十分な力が発揮できないことが知られています。

⑤記憶力

奥歯がないと記憶にも影響が出る可能性を示している研究もあります。

■奥歯の寿命

歯は、大切にケアをすれば一生使い続けることができますが、一般的に人間の寿命より早く抜けてしまう場合が多いのです。

特に奥歯はハブラシが届きにくく、むし歯や歯周病になりやすいため、どうしても寿命が短くなってしまうのです。

厚生労働省の調査によると、歯の平均寿命は約50~65年。

中でも奥歯は最も短く、前歯よりも10年以上も早く抜けてしまいます。

日本人の平均寿命は男性が約80歳 、女性が約86歳ですので、一番寿命が短い第2大臼歯の場合、10歳で歯がきちんと生え揃ったとしても、身体と歯の平均寿命を比べると10~20年程度の差があることがわかります。

大切な歯!
毎日のケアを欠かさずにしましょう!

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